幼稚園の先生が冷たくて泣いた
幼稚園の頃の話。
私の通っていた幼稚園はどこにでもあるフツーの公立幼稚園でした。
場所はどちらかといえば田舎。
本当に普通の幼稚園で、これと言った特色があったわけでもないし、何かに力を入れていたとかもなかったし。
幼稚園生活はそれなりに楽しく過ごしていたと思います。
その幼稚園の最後のお遊戯会。
年長さんは「音楽発表」をやることになっていて、その役割決めの日に私は風邪で欠席していました。
でも、ピアノを習っていたおかげか、「ハンドベル」の役を知らない間にゲットしていたらしくて。
次の日幼稚園に行ったらお友達から「ティンカーベルだよ!いいなー」とたくさん言われました。
もちろんティンカーベルは間違いで、ただのハンドベルだったわけだけど、わりと花形の役だったし、「ティンカーベル」っぽいし(笑)、みんなに羨ましがられて私も鼻高々でした。
練習は進み、本番前のリハーサルの日。
本番で立つ舞台を前に、幼稚園の先生が「○○の楽器の人―」と順番に呼んでいっていました。
で、私は「ティンカーベル」だと思い込んでいたわけで。
でも、実は2曲演奏する曲があって、ティンカーベルなのはそのうちの2曲目。
1曲目はカスタネット。
カスタネットの人はもう何度も呼ばれていたけど、私はティンカーベルだと思っていたので関係ないと思い込んでいました。
いろんな楽器の名前が呼ばれるが最後までティンカーベルは呼ばれない(当たり前)。
とうとう、最後の一人になりました。
私は相当なお気楽幼児だったので、
「ティンカーベルだから私だけ特別に最後なんだわ!」とか思っていました。
そしたら、先生が怖い顔して指揮台を持って私の真横に置きました。
その上に立って私をにらみつける先生。
そして、何も言わず、私の存在を無視してリハーサルが始まりました。
ときどき周りにいる他の先生とも目が合いました。
みんな怖い顔して私の方を見ていました。
私はだんだん悲しくなってきて下を向いて泣いてしまいました。
そして、一曲演奏が終わったあとに、私は泣きながら静かに舞台の上のあいている場所に移動しました。
先生は「そう、よく自分で気づいて一人で移動したわね」
と、冷たく言いました。
褒めてくれていただろうその言葉、全然嬉しくなかったことを覚えています。
その後も何もなかったかのように練習は進み、ティンカーベル(笑)の役も無事こなしてリハーサルは終わったのだけど。
その時の「怖い」「恥ずかしい」「悲しい」という気持ちはずっと忘れられないし、
あんなやり方じゃなくて、普通に『りんごちゃん呼ばれたときに行かないとダメでしょ』と叱ってくれたらよかったのに、と未だに思います。
特に指揮台の上に乗ってまでにらみつけたあの先生の顔は忘れられません。
まぁ「私は特別なティンカーベルよ!」だと思い込んだ私がかなりアホだったわけですが。
他にも幼稚園の先生に冷たくされたことがあったので、学生時代に友人が「幼稚園の先生になりたい!すっごく優しかったから!」みたいなこと言ってた時に「うそでしょ」と思っていました。
私は幼稚園の先生が優しかった、なんて記憶は正直全くないです…
かなり大人になってから分かった話ですが、
私の母がモンスターペアレントだったので、幼稚園時代からいろいろやらかしてくれていたみたいでした。
もしかしたら幼稚園の先生が冷たかったのは、その影響もあったかもしれないな、と今では思います。